東大生、京大生の愛読書「思考の整理学」

本の紹介

思考の整理学 (ちくま文庫) 文庫 – 1986/4/24

 刊行してから40年以上読み続けられる名著「思考の整理学」。思考を整理し、独創的なアイデアに辿り着く方法を学べる本です。正しい思考をするために、一般的な考えとは異なる考えも述べられていてとても面白いので、じっくり読む価値がある本になっております。私がこの本を読んだ感想をシェアしたいと思います。

こんな人におすすめ

  1. 考えても良いアイデアが出てこない
  2. 本やネットで知識は蓄えられるけど、その知識を活かすことができない
  3. 頭の中の考えをうまく整理できない

ネット社会で情報は簡単に手に入ります。しかしそれらを有効に活用することは大変難しいです。頭の中を整理して良いアイデアを出したいと考えている人に大変おすすめな本となっております。

「思考の整理学」を読んだ感想と考え

 私が本書を読んだ感想と考えをシェアしたいと思います。見出しは私の考えを交えた上で記載しているので、本書のタイトルとは異なります。

寝かせることで良いアイデアが生まれる

 一つの物事をひたすら考える。寝ないで一晩中考え抜く。これらの行為は良いアイデアを生み出しそうですが実は違います。アイデアは寝かせることでより良いアイデアへと昇華するのです。行き詰った時は寝てください。散歩に出たり、誰かと話すことも有効です。また、数日後に突如と良いアイデアが生まれることがあります。距離を置くことにより新たな発見があるのかもしれません。

 優れた小説は作家の幼少時代の体験を元に書かれたものが多いことも、寝かせることの重要性を表しています。心の中で温め続けてきたものには不思議な力があると綴られています。筆者は思考を整理する際に、寝させるほど大切なことはないとまで言っております。それほど寝させることは重要なのです。私も寝ないで考えることや、ずっと一つの物事に集中することが素晴らしいことだと思っていました。しかし、あえて寝かせることで進化したアイデアが生まれる。これは本当にその通りだと納得しました。皆さんはいかがでしょうか?是非一度試してみてください!

知識を増やすのではなく忘れる

 知識を増やすことは重要なこと、これが当たり前の価値観ですよね。しかし本書では知識を忘れることの重要性に触れています。理由はコンピューターの登場です。コンピューターは遥かに人間よりも記憶力や情報量が豊富です。そこの土俵では人はコンピューターの足元にも及びません。知識を増やすことはコンピューターに任せればいいのです。人はその知識を活かす知的活動に専念すべきと綴られています。本書では人の頭を倉庫のように考えて、知識でいっぱいにしていては創作活動をする余力がなくなると表現しています。これからは忘れる努力も必要なのです。しかし何でもかんでも忘れろと言っているわけではありません。知識を取得する活動は続ける一方で、不要となる知識を忘れればいいのです。重要な知識は忘れる必要はないし、忘れることができないかもしれません。不要となる知識は忘れて、コンピューターに勝る創作活動に専念することがこれからの時代で必須の能力になるかもしれません。最近はチャットGPT などのAIが一気に普及したことで、更に人間の在り方が問われる時代になるかもしれませんね。

書くことの重要性

 論文に取り掛かるときやプレゼン資料の作成の時、「何を書こうか」、「良いものを作れる気がしない」、このような不安な気持ちになったこはありませんか?

おそらく誰もが感じたことがあると思います。そのようなときはとにかく書いてください。箇条書きでも構いません。書くことにより頭の中がクリアになっていきます。また自分でも考えていなかったことが、書くことにより発見することがあります。私も悩んだ時や行き詰った時はとにかく書きます。書くことによりどこで行き詰っているか分かるし、頭の中でグルグルするよりも確実に前に進めると思うからです。皆さんも迷った時や行き詰った時はとにかく書いてみてください。物事を考える最初のステップが書くことなのかもしれません。

まとめ

 人間のコンピューターより優れているもの、「創作能力」、この能力を磨くことは現代において極めて重要なことだと思います。そのためにまず書いてみる。必要な知識を取得して不要な知識は吐き出していく。アイデアが行き詰ったら寝かせてみる。寝かせることで良いアイデアへと昇華する。この本では思考力の高め方、思考の整理方法が学べます。またこの記事では私が興味を引いたところを中心に、皆さんにシェアしました。それ以外にも日常生活で役立つ考えや方法がたっぷりと綴られています。「思考の整理学」を是非一度手にとって、じっくりと読んでもらいたいです。

思考の整理学 (ちくま文庫) 文庫 – 1986/4/24

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